シャイン経営研究所について(「50人の壁を超える」の意味について)

シャイン経営研究所について(「50人の壁を超える」の意味について)

谷藤友彦(やとうともひこ)プロフィール

東京都城北エリア(板橋・荒川・北・練馬・台東)を中心に活動する研修コンサルタント・中小企業診断士。2011年7月開業。研修を通じて、社員数約50~100人の企業のキャリア開発、部下マネジメント、メンタルヘルス対策、事業計画立案、業務効率化、IT導入などをご支援します。 …

ビジョン

当事務所は「社員(“Shain”)が輝く(“Shine”)経営」の実現を支援します。より具体的には、社員が自社の経営を我がごととしてとらえ、一段高い視点から仕事をするお手伝いをし、社員の人生にとって仕事が重要な意義を持つようにいたします。

基本的価値観

①温故知新
先人の偉大な叡智の上に立っていることを自覚し、その叡智をさらに乗り越えていきます。
②有言実行
我々が提供しているサービスの中でお客様に伝えていることを、自ら率先して実践します。
③創形式知
長きにわたって形として残り、多くの人に参照されるアウトプットを創造します。
④知識還流
先人がそうであたように、我々が培ったノウハウをオープンにし、社会に役立てます。
⑤時間能率
我々は知識経済における重要な指標の1つである時間あたり生産性を重視します。

事務所基本情報

事務所名シャイン経営研究所
代表者谷藤友彦(やとうともひこ)
事務所所在地千葉県松戸市
保有する資格中小企業診断士
((一社)東京都中小企業診断士協会 城北支部所属)
お問い合わせこちらよりお問い合わせください。

「50人の壁を超える」の意味について

企業が立ち上がったばかりで社員数が10~20名程度の段階では、社長も全ての社員の顔と名前が一致し、自らのリーダーシップで企業をぐいぐいと引っ張っていくことが可能でしょう。ところが、企業が成長し社員数が50人を超えたあたりから様子が変わっていきます。50人と言うと、学校の1クラスを超える人数です。多くの人にとってクラス全員のフルネームを覚えるのが困難であったように、社長も社員の顔と名前が一致しなくなります。つまり、個人のリーダーシップだけで経営をするのには限界が訪れるわけです。社員数が50人を超えたあたりから、企業を仕組みで回す工夫をしなければなりません。

私が2006年3月に転職したベンチャー企業は、企業向けの教育研修サービス、組織・人材開発関連のコンサルティングサービス、そして転職エージェントサービスを提供する企業でした。私の社員番号が「10024」であったことが示すように、私は24番目の社員でした。入社後、社員数はどんどん増えていき、1年後には50人を超えるようになりました。しかし、経営の実態は散々たるものでした。社員同士のコミュニケーションは機能不全に陥っており、メンタル疾患で倒れる社員が続出し、多額の赤字を垂れ流していました。私が入社した前年度だけは大幅な黒字で、年末には高級ホテルで盛大にパーティーを行ったらしいのですが、主力の3事業が好調だったためではなく、実は社長が個人的に運用していたファンドの業績がよかったからでした。

私が在籍していた5年半の間に3回のリストラを行い、それぞれの事業の収益責任を明確にするために分社化をするなど様々な手を講じたものの、業績が好転することはありませんでした。社員は次々と去っていき、私が退職する頃には、転職エージェントサービスを提供する企業は解散、教育研修サービスを提供する企業に10名弱、コンサルティングサービスを提供する企業にはわずかに5名ほどが在籍するのみとなってしまいました。

今となってこの衰退の原因を振り返ってみると、9つの仕組みが欠けていたと感じます。

  • 経営ビジョンを全社員に浸透させる仕組み。
  • 戦略や事業計画が現場から湧き上がってくるような仕組み。
  • 社員の自律的なキャリア発展を促す仕組み。
  • 上司が部下の成長を促すマネジメントの仕組み。
  • 社員の健康に配慮する仕組み。
  • 社内のノウハウを見える化し、共有する仕組み。
  • 日頃から社員の努力で業務を改善し、効率化する仕組み。
  • ITを活用して、業務の付加価値を大幅に高める仕組み。
  • 異業種から集まってくる社員の多様性を活用する仕組み。

私が在籍していた企業のような悲劇を繰り返さないように、50人の壁を乗り越えることができる企業を1社でも多く増やすことが当事務所のミッションです。

《参考》
前職のベンチャー企業から得た7つの教訓を記事にまとめました。

【ベンチャー失敗事例(1)】はじめに~経営理念が腹落ちしていなかった【Shared Value】

(※)本シリーズは、2013~2014年に前ブログで「ベンチャー失敗の教訓 」シリーズ(全50回)として執筆したものを、「マッキンゼーの7S 」フレームワークの視点を利用して全7回にまとめ直したものです。 …