2020年

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納富信留『プラトン(哲学のエッセンス)』―否定=支配を伴わない新しいUnlearnの形を模索したい

  • 2020.07.12

 20年前の2004年春、晴れて大学に進学した私は1つの奇妙な現象に直面していた。高校までとは全く異なる刺激的な大学の講義を受けると、受験勉強で頑張って覚えた知識が代わりに頭の中から知識が蒸発し、頭が軽くなるような感覚があった。「Learn⇒Unlearn⇒Relearn」という言葉がある。何か新しいことを学習する際には、それまでの学習内容を一旦忘却しなければならないという意味である。私 […]

高橋久一郎『アリストテレス(哲学のエッセンス)』―意思力が弱いのは問題だが強すぎるのも問題

  • 2020.07.04

  アリストテレス―何が人間の行為を説明するのか? (シリーズ・哲学のエッセンス) 高橋 久一郎 日本放送出版協会 2005-01T 本書は「意思力の弱さ」、平たく言えば「解っているのに止められない(あるいはやってしまう)」という現象を掘り下げた1冊である。正直に言うと、本書を読んでもアリストテレスの言う「理論的三段論法」と「実践的三段論法」の違いすら私は十分に理解できていないのだが、本 […]

利他的動機を利己的動機よりもちょっとだけ先行させて生きる

  • 2020.06.07

 現代教育は知識偏重であるとしばしば批判されるが、その傾向は明治時代には既に見られたようである。日本近代資本主義の父と称される渋沢栄一(新一万円札の顔となる人物である)は、著書『論語と算盤』の中で次のように記している。 論語と算盤 澁沢 栄一 国書刊行会 1985-10-01 現今の教育は智育を重んずるの結果、既に小学校の時代から多くの学科を学び、さらに中学大学に進んでますます多くの智識 […]

フレデリック・W・テイラー『【新訳】科学的管理法』―イノベーションの生産性を上げる3つのカギ

  • 2020.05.28

  |新訳|科学的管理法 フレデリック W.テイラー ダイヤモンド社 2009-11-28 フレデリック・W・テイラーによる科学的管理法は現代経営学の出発点である。テイラーは、工場労働者の主観的な経験や技能の上に成り立っていた作業を、客観的・科学的に整理してマネジメントすることを目指した。テイラーはまず、工場労働者の一連の作業を細かく分解して、それぞれにかかる時間をストップウォッチなどで […]

【論語】如之何、如之何と曰わ『ざる』者は、吾れ如之何ともすること末きのみ(衛霊公第十五の十六)

  • 2020.05.23

 《参考文献》 論語 (1963年) (岩波文庫) 金谷 治 岩波書店 1963T 朝令暮改の発想―仕事の壁を突破する95の直言 鈴木 敏文 新潮社 2008-01T 鈴木敏文「逆転発想」の言葉95 勝見 明 PHP研究所 2013-03-29 働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」 稲盛和夫 三笠書房 2009-04-02 以前の記事「竹内均編『渋沢栄一「論語」の読み方』―明治豪傑 […]

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