高橋久一郎『アリストテレス(哲学のエッセンス)』―意思力が弱いのは問題だが強すぎるのも問題

  • 2020.07.04

  アリストテレス―何が人間の行為を説明するのか? (シリーズ・哲学のエッセンス) 高橋 久一郎 日本放送出版協会 2005-01T 本書は「意思力の弱さ」、平たく言えば「解っているのに止められない(あるいはやってしまう)」という現象を掘り下げた1冊である。正直に言うと、本書を読んでもアリストテレスの言う「理論的三段論法」と「実践的三段論法」の違いすら私は十分に理解できていないのだが、本 […]

利他的動機を利己的動機よりもちょっとだけ先行させて生きる

  • 2020.06.07

 現代教育は知識偏重であるとしばしば批判されるが、その傾向は明治時代には既に見られたようである。日本近代資本主義の父と称される渋沢栄一(新一万円札の顔となる人物である)は、著書『論語と算盤』の中で次のように記している。 論語と算盤 澁沢 栄一 国書刊行会 1985-10-01 現今の教育は智育を重んずるの結果、既に小学校の時代から多くの学科を学び、さらに中学大学に進んでますます多くの智識 […]

フレデリック・W・テイラー『【新訳】科学的管理法』―イノベーションの生産性を上げる3つのカギ

  • 2020.05.28

  |新訳|科学的管理法 フレデリック W.テイラー ダイヤモンド社 2009-11-28 フレデリック・W・テイラーによる科学的管理法は現代経営学の出発点である。テイラーは、工場労働者の主観的な経験や技能の上に成り立っていた作業を、客観的・科学的に整理してマネジメントすることを目指した。テイラーはまず、工場労働者の一連の作業を細かく分解して、それぞれにかかる時間をストップウォッチなどで […]

【論語】如之何、如之何と曰わ『ざる』者は、吾れ如之何ともすること末きのみ(衛霊公第十五の十六)

  • 2020.05.23

 《参考文献》 論語 (1963年) (岩波文庫) 金谷 治 岩波書店 1963T 朝令暮改の発想―仕事の壁を突破する95の直言 鈴木 敏文 新潮社 2008-01T 鈴木敏文「逆転発想」の言葉95 勝見 明 PHP研究所 2013-03-29 働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」 稲盛和夫 三笠書房 2009-04-02 以前の記事「竹内均編『渋沢栄一「論語」の読み方』―明治豪傑 […]

ゲイリー・ハメル&C・K・プラハラード『コア・コンピタンス経営』を再読して私の戦略論を再構築してみた

  • 2020.05.15

  コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略 (日経ビジネス人文庫) C.K. Prahalad 日本経済新聞出版 2001-01-01 ゲイリー・ハメル、C・K・プラハラードの『コア・コンピタンス経営』(ハードカバーは1995年、文庫本は2001年発刊、ともに日本経済新聞社)を再読した。「コア・コンピタンス」とは日本語にすると「中核能力」であり、本書では「個別的なスキルや技術を指すので […]

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